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なかなか

全体に更新ペースがおちてます~。
ってか、銀誕SSすら思いつかないって、どゆこと~(泣)

どうも連載関係で頭いっぱいいっぱいらしいです。
ってとこで、下にブログ連載の続きです!
今回は短いです。理由は再UPをお待ちください、としか言えません。

ついでにとっても鬼畜かも(--;)

月の誘い 9


夜空に掛かるのは、冴えた蒼い光をたたえる満月だ。
深夜の空気は、しんと静まり、深い蒼に染まる。
「嫌になるくらい、絶好の日だな‥‥」
蛮はため息を吐いて身体に纏わりつく布を払った。


深夜の公園。
周囲を囲む木々のお陰で、深夜にも係わらず街の中に絶えずある車の喧騒から隔離されたような気になる。
スバルをいつも停めている場所からあまり離れていない。
蛮の目の前には大きな噴水池がある。その前はちょっとした広場だ。儀式をするにはちょうどいい広さの。
その中心あたりに立つと、蛮は緩やかに両手を左右に開いた。
指先に紫がかった光が、かすかに灯る。
それでぐるりと周囲を囲み撫でるようにまわす。
略式だが、場の聖別と人払いの為の結界だ。
どうあっても他人に見られたいような類のモノではないのだ。
両手を合わせ胸の前に持ってくると、蛮は目を閉じた。

ゆっくりと、彼の身体を淡い光が覆いだす。はっきりと視覚に捕らえられるほどの強い光ではなく、なんとなくぼんやりと明るいと思える程度のものだ。
そうして蛮は両手を天に翳した。
手のひらから光の魔方陣が生まれ、蛮の周囲の地面に、それを写し取ったように光の魔方陣を作り出す。
魔方陣が完成すると、目を開き緩やかな動きで身体を揺らす。
それは、一見すると踊っているかのような動きであったが、彼の中から快楽を引き出すための呼び水となる動きでもあった。
気づけば、魔方陣のあちこちから、影のような大蛇が天に向かって伸び上がり、蛮の身体に擦り寄り、巻きついてゆく。
無数の大蛇に絡めとられ、蛮の口からは吐息のようなかすかな喘ぎが零れた。


スバルで寝ていた銀次は何かの気配を感じ、目を覚ました。
「蛮ちゃん?」
運転席を覗けばそこにあるはずの蛮の姿は無く、銀次は首を傾げた。
「トイレ‥‥、かな?」
そう思いつつ後部座席を見て、固まった。
そこには、普段蛮が着ている服がそっくりそのまま脱ぎ捨てられておかれていた。
「蛮ちゃんの、服だよね‥」
はっきり言って自分達は手持ちの服など殆ど無い。着たきりすずめ状態だ。ということは、蛮は今何を着ているのか?
そう考えて寝ぼけ気味の頭がしゃっきりと起きた。
「蛮ちゃん、儀式やってるんだ‥」
そっとスバルを抜け出すと、銀次は公園の広場へと向かった。なんとなくだが、彼はそこに居るような気がしたから。
広場の噴水が見えると、そこに予想通りの彼の姿があった。淡い光に包まれ、光の魔方陣の中に立つ彼は幻想的で神がかって見えた。
と、ゆらりと影のようなものが見えた。何かははっきりと見えないがその影は蛮の身体に絡み付いてゆく。
蛮は苦しむようにもがいているが、抜け出せるわけでもなくすっぽりと影に飲み込まれてしまった。
それを見た銀次はそのまま近くの茂みに潜り込み隠れたのだった。

 

青い顔で、銀次は来た時のようにこっそりとスバルの助手席に戻ったのだった。
薄い毛布を頭からかぶり、丸くなる。
(何で、蛮ちゃんが教えてくれなかったか、分かった‥‥。俺が手伝うのに嫌だって思うのも分かった‥)
蛮は『どんな事をするのかって知ったら、お前だって嫌だって思うだろうよ』と言っていた。
確かに、嫌だと思う。あんな事を、ずっと彼は我慢していたのか。
銀次はぎゅっと目を閉じた。ついさっき、見てしまったモノを忘れたかった。

暫くして、蛮がスバルに戻ってきた。銀次の気配を伺っているようだ。
半分眠りかけていた銀次は、その気配にはっとしたが、そのまま眠っているふりを押し通すことにした。気づかれてしまうかもしれないが、蛮も敢えて問いただしたりはしないだろう。
銀次が眠ったままなのを確認したからか、蛮は後部座席に乗り込み、着替え始めた。
だるそうな、荒い息が、さっき見た光景にだぶり、銀次の鼓動が跳ね上がる。
着替え終わった蛮は服をあのトランクに押し込むと、運転席に移動した。そして毛布を被ると、直ぐに眠ってしまった。
その気配を感じて、銀次はそっと身体を起こした。
すーすーと穏やかな寝息は幾分か銀次を安心させたが、額にびっしりと浮いたままの汗がその分気に掛かる。
ごそごそとタオルを取り出すと、そっとその汗を拭い、額に手を当てた。
手のひらに伝わるのは、普段よりもかなり高いだろう体温だ。運動(アレをそう言っていいのなら)したから体温は上がっているのは確かだから、熱が出てると心配するほどの事でもないだろう。
「朝になってもこのまま高かったら、考えよ」
自分の中の不安に、そう折り合いをつけると、銀次も毛布に包まった。

 

朝になったら、いつも通りの彼がいるはずだと、期待していた。
それが‥‥

 


朝起きた銀次の隣に、蛮は居なかった。

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気になるよぅ~(>д<)

余りにも気になって…寝れないかも…(-_-;)
  • from katty :
  • URL :
  • 2008/04/15 (10:35) :
  • Edit :
  • Res

Re:気になるよぅ~(>д<)

抜いてある部分も、ラストも気になるでしょう?
でも続きは暫くお預けなんですよ~。
だから、鬼畜なのは焔ですw

本日もこめんとありがとうございます
  • from 神成 焔 :
  • 2008/04/16 (02:55)

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